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課長の平均年齢は45歳前後と言われている。35歳という若い課長もいれば、ベテラン課長では定年間際の50代後半のベテラン課長もいる。
親愛なる課長の皆さん、こんにちは。
課長のスキルアップ講座を担当する飼馴嵐務(かいならし・つとむ)です。
課長に昇進する年齢は、会社側の事情や個人差もあるため一概にこうと述べることは難しい。ある大企業では、ストレートで昇進し続けて課長になれるのが入社15年後、だいたい37歳前後である。中には、課長になるための昇進試験がワンチャンスしかない会社もある。その試験で「課長不合格」の烙印が押されれば、一生課長になれない可能性が高い。昇進試験に臨む課長候補のプレッシャーはすさまじいものがある。
一般的には40歳前後で初めて課長に昇進する人が多いのではないだろうか。課長になるのに早いに越したことはない、という意見もありそうだが、私はそうは思わない。
自分の能力が伴っていなければ、若くして課長になっても成果はおぼつかない。若い課長は頭の回転の速さとその場の瞬発力で仕事をする人が多い。しかしこれはどちらかというとプレイヤーの立場で成果を収めやすいタイプだ。
能力が見えやすいため、会社からの評価も得やすいが、課長になってから苦労するタイプでもある。若くして課長になった人は、自分のマネジメントスタイルを模索しながら、現場で成果を出していかなければならない分、大変である。課長としてより高い成果を出すためには、人を使うことを覚えなければならない。そのためには、若さの象徴ともいえる軽快さや俊敏さと同時に、人から信頼されるようなどっしりとした落ち着きや一定の老練さも身につけなければならない。
むしろ遅くして課長になるものよいと思う。年代もののワインのように、自分のマネジメントスキルを磨き、成熟させる準備ができる。下積み時代が長い課長は、安易なことではあきらない。じっくりと腰を据えて問題に取り組み、着実に成果を導き出す。
派手さはないが、課長にはこういう重量感も必要である。若くして課長になった人は、課長としての重みや風格をいかにして身に付けるかが課題になるだろう。