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「明日もまた観てくれるかな? いいとも〜!」
で優秀のフィナーレを飾った「森田一義アワー 笑っていいとも!」
そのメイン司会者であるタモリさんは、32年もの長寿番組が終わる最後まで飄々としたスタイルを貫き通した。
雨の時も風の時も、お昼になればその顔を見ることができるタモリさんは、まるで出社すれば必ず顔を合わせる課長のようだった。
通常放送の最終回と同日生放送されたゴールデンタイム枠のグランドフィナーレでの彼の行動を見ていると、課長として必要な資質が見えてくる。
親愛なる課長の皆さん、こんにちは。
課長のスキルアップ講座を担当する飼馴嵐務(かいならし・つとむ)です。
今回は、森田一義ことタモリさんの課長力を私なりに診断してみたい。
課長としてのタモリさんのもっとも強力な武器は「任せる力」である。
力の抜けたタモリさんのスタイルは、一見、適当でいい加減、何も考えていないように見える。しかし、生放送、最終回という大事な場面で「最後だからめちゃくちゃ面白くしよう」とか思わず、普段通りに振る舞える人間はそうそういない。
普通は力みが入って自分主体の行動に出てしまうものだが、そんな時でも相手に場を委ね切ることができるのがタモリさんの優れた課長力と言える。結果、共演者(部下)の力を最大限引き出すことに成功している。
タモリさんには、「自分が」という我欲がない。「その場が面白くなればいい」「視聴者が楽しめればいい」というゴールだけを見ているように見える。
そういうタモリさんの場づくりがあったから、明石家さんま、ダウンタウン、とんねるず、爆笑問題、ウッチャンナンチャン、ナインティナインといったお笑いレジェンドが一堂に会するシーンが生まれたのだ。
タモリさんのマネジメントスタイルは、自らは縁の下の力持ちとなって、部下を前面に押し出すサーバントリーダーシップのよい参考例である。
「なんでも自分でやってしまう」
「心配で部下に仕事を任せられない」
そんな課長は、タモリさんの「任せる力」を参考にしてほしい。