エントリー・アーカイブ 課長の判断軸〜社会・事業・人間〜:課長のスキルアップ講座――圧倒的な成果を導く21のポイント――
課長のスキルアップ講座――圧倒的な成果を導く21のポイント――

課長のスキルアップ講座――圧倒的な成果を導く21のポイント――
課長の判断軸〜社会・事業・人間〜:グレーゾーンの中で問題の本質を見抜き、いかに最適な解決策を導き出すかが課長の仕事ともいえる。

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課長の判断軸〜社会・事業・人間〜

課長には中間管理職としての哀愁が常に漂う。

上からは大幅な人件費削減を指示され、下からは増員を要求されるといった板挟み状態に悩まされるのは、中間管理職の宿命と言える。ときには現場が疲弊し、部下たちが苦しんでいるのを目の当たりにしながら、過酷な指示をしなければならないケースもあるだろう。

課長は、トップマネジメントと現場をつなぐ連結ピンであり、課長の仕事はあらゆる方向から押し寄せる矛盾やジレンマに耐えることである。

あちらを立てればこちらが立たず――すべての利害関係者が満足するように解決することが理想だが、現実には難しい。

業績を巡っての株主や顧客からの要請、会社を取り巻く地域社会からの圧力や、社内外の人間関係の軋轢など、簡単には判断できない問題が山積している中で、課長は何らかのジャッジを示さなければならない。

課長が重視するべき判断軸には、大きくわけて3つある。「社会性」「事業性」「人間性」の3つである。

社会性とは、CSR(社会的責任)の視点である。企業は、社会的な存在として、地域社会と共存し、地域社会に貢献していくことが求められる。

事業性とは、ビジネスの視点である。当然なら、企業は、生産性を向上させながら、業績を上げていくことが求められる。

人間性とは、人材育成の視点である。企業は、社員の満足度を高め、自己実現を支援していくことが求められる。

この3つの要素は、ときとして利害衝突を起こし、課長をジレンマに陥れる。工場からの排水が環境破壊を招いたり、コスト削減のために社員に過酷な労働を強いるといったケースだ。

互いに裏切り合う結末になることも知らず、自分の利益のみを追求する囚人になりたくないなら、良く聞いてほしい。

課長には、曖昧さへの耐性が求められる。

組織で発生する問題は、数学のように明快な答えを見出せるものばかりではない。モヤモヤとした霧の中で、後味の悪い、スッキリしない決断をしなければならない問題が多くある。

グレーゾーンの中で問題の本質を見抜き、いかに最適な解決策を導き出すかが課長の仕事ともいえる。

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