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残念ながら、多くの課長が部下との面談時間を無駄に過ごしている。
無難にやり過ごすことしか頭になく、大きな破綻は来さないものの、やってもやらなくても意味のない面談を繰り返す課長。
部下を面談の場に呼び出し、いきなり本題に切り込むなり、上から目線で一方的にダメ出しするだけの課長。
親愛なる課長の皆さん、こんにちは。
課長のスキルアップ講座を担当する飼馴嵐務(かいならし・つとむ)です。
部下と面談したことのない課長はいないだろう。期初の目標面談や期末の評価面談をはじめとして、課長には部下と面談する機会が多くある。ルーティンで行われる面談以外にも、部下の成績がかんばしくないときや、部下が問題を抱えているときなど、必要に応じて課長は部下と面談し、部下をあるべき方向へと導かなければならない。
面談は、部下と1対1、差しで話し合いできる貴重な時間である。この貴重な時間をどう使うかによって、課長の成果が左右される。部下との面談から期待以上の付加価値を生み出す課長もいれば、面談によって仕事も部下との人間関係もぶち壊しにしてしまう課長もいる。
部下面談を効果的に行うためには、部下との間に信頼関係を築くことが大切だ。課長は面談を始めるにあたって、まずは部下にこのように感じさせなければならない。
「あ、この課長は自分の話を聞いてくれる」
「自分の問題や悩みを共有してくれる」
そのためには、仕事だけではなく、相手の人間性を尊重することである。労いの言葉をかけたり、共感の姿勢を示すなど、相手と同じ目線に立つことから始める必要がある。
多くの課長が面談で話すぎる傾向がある。課長は部下に対してポジションパワーがある分、話をする時間が多くなるものである。自分では聞いているつもりでも、実際には話していることの方が多いものだ。部下を指導しなければならないという責務意識や強迫観念から、課長は話をしすぎてしまうのだ。
感覚的には、70対30くらいの割合で、相手に話をさせるとよいだろう。それくらいの感覚でやっと50対50に近づけると思っておいたほうがいい。
部下との面談に臨む際には、課長として着地点を仮説立てておくことだ。
「この課をどのようにしたいのか」
「そのために部下にどう参画してほしいのか」
課長は、自分なりの志をもって部下面談に臨む必要があるが、同時に部下の話を聞かなけれなならない。大切なのは、部下の声に耳を澄ませ、課長の志と部下の考えの共通点を探り出すことである。同じ方向を向くことができれば、部下面談の目的はほぼ達成できる。