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課長が成果を出すにあたって、最後にものを言うのは、経験知であり、直感であり、主観である。しかし、最終局面に至るギリギリのところまでは論理的思考力で進めたい。
親愛なる課長の皆さん、こんにちは。
課長のスキルアップ講座を担当する飼馴嵐務(かいならし・つとむ)です。
根拠や理由を客観的に示しながら、筋道立てて自分の考えを展開する――これが論理的思考であり、ロジカルシンキングであり、垂直思考である。
一般的に論理的思考には、演繹、帰納、因果関係という3つの三大推論がある。
論理的思考を展開するためには、最低限この三大推論の基本を押えておきたい。
前提:
全ての人間は死ぬ。(一般的・普遍的な前提)
アリストテレスは人間である。(小前提)
結論:
よってアリストテレスは死ぬ。(個別の結論)
個別の事例から一般的・普遍的な法則を導き出そうとする考え方である。
前提:
ソクラテスは死んだ。
プラトンも死んだ。
アリストテレスも死んだ。
ソクラテスもプラトンもアリストテレスも人である。
結論:
よって全ての人間は死ぬ。(一般的・普遍的な法則)
因果関係とは、2つの出来事が原因と結果で結びついている関係のことである。因果関係には「地震が原因となって津波というがくる」という単純なものもあれば、「風が吹けば桶屋が儲かる」といった複雑なものもある。また、にわとりと卵のように、原因と結果がはっきりしないものもある。この因果関係を誰にでもわかりやすく的確に組み立てることが論理的思考のキモとも言える。
また、情報を多面的・網羅的に整理する手法としてロジックツリーやMECEというフレームワークが存在する。
ロジカルシンキングができる課長は、どうすれば自分の考えが相手に伝わるかを考え、言葉を操って話の道筋をクリアにしたり、状況をコントロールしてより聞き入られやすい状況をつくることができるようになる。また、相手の話を論理的に整理して聞くことができるので、主張が妥当であるかを判断できるようになる。
勘と度胸と経験で現場を乗り切る課長も個人的には嫌いではないが、課長ともなれば自分の考えや意見に明確なエビデンスをもって臨みたい。