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嘆かわしいことに、問題と課題を明確に区別できていない課長が多い。
「え、問題も課題も一緒だろ?」と思った人は、以下のテストに答えてみてほしい。
テスト:以下の例は、問題と課題のいずれに該当するだろうか?
(1)顧客クレームが多い
(2)コストを削減する
(3)品質向上に努める
(4)組織方針が不透明
親愛なる課長の皆さん、こんにちは。
課長のスキルアップ講座を担当する飼馴嵐務(かいならし・つとむ)です。
答えは以下の通り。
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常に問題解決を求められる課長が身につけておくと役立つとっておきのスキルとは?
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(1)顧客クレームが多い →問題
(2)コストを削減する →課題
(3)品質向上に努める →課題
(4)組織方針が不透明 →問題
課長なら全問正解してほしい。
問題とは、発生している状況であり、組織にネガティブな影響を及ぼすものである。
一方、課題とは、組織目標を達成するためにこれから成すべきことであり、ポジティブに表現されるものである。
問題とは、あるべき姿と現状のギャップであり、そのギャップを埋める方法が課題となる。
道の真ん中に大きな岩があり、行く手を阻んでいる状況を想像してほしい。
目的地にたどり着くためには、この道を進むしか方法がないのだが、この場合、「問題」は大きな岩が道をふさいで先に進めないことである。
では、課題は何か?
目的を達成するために、成すべきことが課題である。
例えば、「岩をどかすこと」かもしれないし、「岩を乗り越えること」かもしれないし、「岩を迂回すること」かもしれない。
方法はいくつも考えられるだろう。
つまり、問題とはすでに発生していることであり、自身の意思とは無関係な自然発生的なものだが、課題とは自分で意識して設定するものである。
たどり着ける場所もなくゲージの中で回し車を回し続けるモルモットになりたくないなら、良く聞いてほしい。
環境変化がある限り、問題は発生し続ける。よって問題が存在すること自体は必然的なことである。
むしろ問題の見落としや放置が組織を脅かすことになるのだ。
課長には、問題を見極める能力と、適切な課題を設定する能力が求められる。課題の設定を誤ると、組織が抱える問題を解決することなどできない。