課長の問題解決力〜問題解決のプロセス〜
課長は、あらゆる手段で問題解決を図っていくことが求められる。論理と直観を交差させ、自身の経験則や実践知、直観やデータを駆使して解決の方向性を導き出すのだ。そのためには既存の手法にとらわれないことが重要だ。
斬新な解決策を導き出すためにも、一定の原理原則を知っておくことは重要だ。
茶道でいう「守破離」である。
囲碁や将棋に定石があるように、組織で発生する問題の解決方法にもセオリーがある。
親愛なる課長の皆さん、こんにちは。
課長のスキルアップ講座を担当する飼馴嵐務(かいならし・つとむ)です。
問題解決の打ち手はとても地道だ。一足とびの解決を目指すのではなく、できることを一つひとつやっていくしかない。課長ともなけば、問題解決の基本パターンは押さえておきたい。
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一般的に、問題解決のプロセスとは以下のようなものだ。
(1)問題発見
問題分析の入り口は、問題を発見することである。問題とは
「あるべき姿と現実のギャップ」であることを前提に、まずは適切な問題を発見したい。
(2)原因分析
問題を発見したら、その問題の原因を分析し、問題が発生した背景や因果関係をつかむ。いわゆる
「なぜ」の繰り返しだ。なぜ、あるべき姿とギャップが生じているのか、検証を繰り返し、問題に対する考察を深めたい。
(3)課題設定
原因をつかんだら、あるべき姿とのギャップを解消するための課題を設定する。適切な課題を設定することができれば、解決策の立案は比較スムーズに進む。逆に課題の設定を間違えると、解決策がどんなに優れていても、問題を適切に解決することはできない。
(4)解決策の立案
解決策には、暫定策、是正策がある。
暫定策とは、とりあえずの急場をしのぐ一次対応である。顧客からクレームが入ったら、まずは誠意を示して説明責任を果たすといった行動例が該当する。
是正策とは、その問題を発生させた根本原因を取り除く対策である。顧客クレームが発生した原因が、スタッフの対応の悪さにあるというのなら、サービスレベルの向上に向けた人材教育を行う、といったことである。
(5)意思決定
解決策を評価し、組織に与える影響や波及効果を評価した後、意思決定を行って具体的なアクションにつなげる。実行に向けた決断を下すためには、タイミングや明快さ、本気度が求められる。
(6)進捗管理
問題解決に向けてPDCAを回し、成果を確実にものにしたい。さらに問題が発生した際の
緊急策だけではなく、潜在的な問題を分析し、新たな問題が起こらないよう
予防策も打っておきたい。
残念ながら、多くの課長が問題解決のプロセスを身に付けていない。自分なりの仮説も立てずに部下に原因分析を丸投げし、方向性も示さずに解決策を求める課長のなんと多いことか。形はつくるが、中身がない指示に部下たちは戸惑うばかりだ。
必要な労力を負担せず、部下の成果にタダ乗りするフリーライダーになりたくないなら、良く聞いてほしい。
問題解決は、組織のあるべき姿にそって行われるべきである。組織の方向性を自身の頭で解釈し、現場に落とし込むことができなければ、妥当な問題解決策を導くことは困難である。
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