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「強いものが生き残るのではない。環境変化に対応できるものが生き残るのだ」
と、かつてダーウィンは言った。
親愛なる課長の皆さん、こんにちは。
課長のスキルアップ講座を担当する飼馴嵐務(かいならし・つとむ)です。
外部環境は絶えず変化する。どの企業も激変する市場競争にさらされている。
環境の変化をとらえ損なうと、あっという間に市場から退場せざるを得なくなる。
バブル崩壊後の経営環境は「下りエスカレーター」に喩えられる。じっとしていれば自動的に下がっていくのである。
業績を現状のまま維持しようと思ったら、エスカレーターが下る速度と一定のスピードで階段を昇らなければならない。
業績を向上しようと思えば、ライバルより早く駆け上がる努力が必要である。
市場が急変期にあれば、市場の変化にも気が付きやすい。
しかし、市場が目に見えないような速度で緩やかに変化していれば、自身に迫った危機には気が付きにくいものである。
いわゆる「ゆでがえる現象」だ。
ビーカーの中の水にカエルを入れて、下からじわじわ温めると、カエルは逃げ出すアクションも起こせないまま死に至る。
熱湯になるまでの間にいくらでも逃げる機会があるにも関わらず、自身に迫った危険に気が付かないために、逃げ遅れてしまうのだ。
逃げようと思ったときにはすでに熱によって体力を奪われ、そのまま息絶えてしまう。
(試したことがないので、実際にはわからない。見事に脱出するカエルもいるのかもしれない)
課長も同じである。既定路線の延長線上で問題解決を図っていては、新たな視点で組織を抜本的に改革していくことは困難である。
ルールや方針を守ることが目的になっている部下が多いが、「ルールや方針を守れ」というだけでは部下は納得しない。
形骸化したルールや慣習ほど組織に非効率をもたらすものはない。
死が訪れることも知らず、微妙な環境変化を見過ごすゆでガエルになりたくないなら、良く聞いてほしい。
課長には、企業の変化を促進するエンジンになってほしい。
課長であれば、形骸化した慣習やルールにとらわれず、大局的な視点から最適な方法を選択し、停滞する現状を打開していかなければならない。
市場の変化に迅速に対応し、機会の最大化を図ってビジネスを好転させるアプローチが取れなければ、この不透明な環境の中で生き残っていくことはできないのだ。